桃のまるかじり

DSC01213近所のスーパーが日曜日に実施している朝市に行った。
野菜が安いから時々利用するのだが、レジに向かおうとすると、桃の素晴らしい香りが漂ってきた。

桃の香りって幸せの香りの一つだと僕は思っているので、発生源を辿っていくと、2種類用意されている桃のうち、高いほうの桃から発していることが判った。
これだけ香りが強ければ旨いに違いないと思い、購入して帰宅。
すぐに水で洗って、爪で皮を剥いた。

桃は冷さずに、常温で食べたほうが旨い。
冷すと香りが弱くなるからだ。

薄い皮がツイーと綺麗に剥ける。
桃の香りは一層強くなる。

皮を全て剥くと、僕は包丁を入れることなく齧りついた。
嗚呼、桃は果物の中でも最高の美味の一つだ。
適度に甘く、微かに渋味と酸味があり、美しい果肉と素晴らしい香り。

果汁を一滴たりとも落とすまいと思っていたが、どうしても何滴かは無駄になった。
最後は種の周りの少し酸っぱい果肉に齧りつく。

食べるところがなくなると、名残惜しいが種を捨てて、手を洗う。
しかし桃を食べた手は、しばらくの間、桃の香りが漂うのだ。

やはり、桃はまるかじりに限る。

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