安芸灘とびしま海道オレンジライド2010

ちょっとしたトラブルでインターネット環境が途切れていたのと、週末出勤が続いていたのでやっと書けるのだけれど、12月5日(日)に行われた、このレースに参加してきた。

まず総括すると、今年の3月に走った「とびしまハーフマラソン」の時も感じたが、しまなみ海道に比べ、とびしま海道は住民の方々が素朴で、声援が温かい。
仕事の手を休めて、多くの人が本気で手を振り、声をかけてくれる。
天候にも恵まれ、素晴らしい景色を堪能しながらの90kmだった。

ただし、しまなみ海道に比べて施設、設備が弱いことは否めない。
コンビニがおそらくゼロではないかと思うし、道が狭くてカーブが多い。
路面も荒れたところが多く、パンクしている選手をたくさん見かけた。
細い道では追い抜きが難しいので、どうしても集団走行になる。
今回は、一緒に参加した634さんとネコ吉さんと、60kmくらいまで一緒に走った。

最初の難関は豊浜大橋に向かう広域農道の長い坂。
あんなところまで登るのか!と思うほど長い登りだが、そこまで辿り着くとまだ先があることが判る。
さらにカーブを曲がるとまだ登りが続いていて、選手の気持ちを折るような激坂だった。

今回はロードバイクだけでなく、色んな自転車が参加していたが、スポーツ車以外の人は降りて歩いている人が多かった。
スポーツ車の人でも歩いている人がいたくらいだから、仕方がないだろう。
しまなみ海道は、自転車専用のルートがあって、そこは緩やかな坂になるよう、設計段階で気配りされているが、とびしま海道は容赦がない。
そもそも「農道」だから、自転車のことを考慮していないのは当たり前なのだ。

ここでもネコ吉さんがアタックをかけたが、今回は何とかついて行くことができた。
しまなみ海道の時は、因島の北側の激坂で彼に置いて行かれたのだ。

その後は豊島の北側、大崎下島の北側を抜けて、愛媛県の岡村島へ。
この岡村島の道が結構辛かった。
道が細い上に路面がかなり荒れている。
事故が怖いので無理な追い抜きはせず、25kmくらいのスローペースで進んだ。

この頃まで、僕とネコ吉さんの2人旅になっていて、634さんは少し遅れているのかな?と思っていたら、すぐ後ろに付けていて、折り返して大崎下島の南側では「今度は俺が風除けになってやるよ!」と率先して我々を引いてくれた。
そして、3人チームのまま35km地点のエイドステーションに到着。

我々の前に30人×十数チームが先行スタートしていたので、途中、そこそこ抜いたけれど、200人くらいは先に到着していた。
メインの食事は牡蠣味噌汁。
ますや味噌の提供らしく、ちょっと化調がきつかったけれど、牡蠣が5粒も入っていて旨かった。
しかし、どういう計算をしていたのか、その後に訪れたハーフコースの人たちは、牡蠣の入っていない牡蠣ダシ味噌汁だったらしい。
個人的には牡蠣は3粒でいいから、もう少し汁がほしかったので、ちぐはぐだなぁと感じた。

その他、みかんジュースやキャラメル、みかんの振る舞いがあり、みかんジュースを飲んで、みかんを食べて、トイレに行って再出発した。
ここからも3人体制でチームを組み、豊浜大橋、豊島大橋を超えて行ったが、豊島大橋を渡ってすぐだっただろうか、僕が先頭を走っていて、後ろから634さんが「ネコちゃんが先に行ってくれって!」と声をかけてきた。
パンクなどのメカトラブルならば、手があったほうが助かるので、戻ろうかと言うと、どうもそうではないとのこと。
すぐに追い付くとのことなので、ちょっとペースを落として先に進んだ。

なかなか追い付いて来ないなぁと思いつつ、61kmのエイドステーションに到着した。
すぐに634さんも入ってくる。
ネコ吉さんどうしたのかね?と話しつつ、呉細うどんに数名並んでいたので、とりあえず我々も並んだ。
そうこうしているとネコ吉さんが到着。
どうしたの?と訊くと、足が痙攣したとのこと。
登りで1回来て、2回目が来たので降車してストレッチをやっていたらしい。

それは災難だったねと言いながら細うどんを食べた。
麺は元祖の「山乃家」のもので、社長自らが調理してくれていたが、いかんせん釜が小さすぎ。
そこへテボを突っ込んで茹でているから、客のペースに追い付いていない。
茹でたうどんにネギやちりめんを載せて、濃いぶっかけタレのようなもので味付けして供する。
量は少ないが、咽喉越しの良いうどんはエイドとして上々の旨さだった。
「下関海響マラソン」の時もそうだったけれど、こういう麺類は非常にありがたいのだ。

ここでもみかんジュースやみかんを振舞ってくれ、特にみかんは食べ放題。
まぁ、1つ食べれば十分だけど、オレンジライドという名前通りで嬉しかった。
僕は膝に軽い痛みが出ていたけれど、これは1ヶ月前のフルマラソンのダメージだろうと軽く考えていた。
634さんは少し疲れているっぽいし、ネコ吉さんは少し消耗している様子。
ちょっと長めの休憩を取って、再出発することにした。

僕が一番余裕がありそうだったので、やはり先頭を引いたが、なかなか都合良く引っ張ってくれる人がいない。
そのうち、30kmくらいで気持ち良く飛ばしている人が見つかったので、その人の後ろに付くことにした。
すると、その人は結構ブンブン飛ばして、最初は遠くに見えた集団に追い付いてしまった。
この頃になると前後が疎になっているので、同じ程度のレベルの人が集まる集団はなかなかない。
先頭はビブスを付けたサポートスタッフだから、遠慮せずに後ろに付けるし、30km前後でブンブン飛ばしてドンドン追い抜いていく。

この集団の前に出ると、自分が引くことになるし、30km以上で飛ばさなければならないので、後ろに付いたまま残り6kmくらいまで楽をさせてもらった。
この頃にどうしたことか車列が乱れ、サポートスタッフが少し前に出てしまった。
僕は彼に付いて行きたかったので、前の人たちを抜いて、彼の後ろに付いたのだが、サポートスタッフの彼は、あくまで集団を引くつもりだったらしく、僕に「先に行け!」と合図を送ってきた。

僕は正直、えぇ〜っ!だったら僕も下がって付いていくよ!と思ったけれど、まぁ残り5kmくらいだから3人体制で進もうかと思って後ろを振り向くと、ネコ吉さんも634さんもいない。
何度も振り返ったが、やはり姿が見えないので、どのくらい離れているのかも判らず、仕方がないので一人旅で進むことになった。

残り3kmくらいで向かい風が激しくて、一人旅なんてやるんじゃなかったと後悔しながら、あと少しと思って脚に力を入れる。
今回はしまなみ海道の教訓を活かして、エイドステーションの度にカーボショッツを注入していたので、最後までシャリバテにはならなかった。

「とびしまハーフマラソン」の時も、この坂が最後の難関だったなと思い出しつつ、県民の浜に向かう最後の坂を越え、4時間13分でゴール。
ハーフコースに参加して、既にゴールしていたサファイアさんと合流し、しばらくするとネコ吉さん、634さんが帰って来た。
634さんはエイドステーションを出た後、しばらくして「こりゃ速すぎる」と思ったらしく、後ろに下がったらしい。
ネコ吉さんは、僕がサポートスタッフを追い抜いたところで諦めたとのこと。
いやあれはそういうつもりじゃなかったんだよと弁明したが、結果としてチームで走られなかったのは残念。
今度はもう少し上手に連携できればと思う。

ゴール後は受付で完走証を受け取り、昼食券と参加賞をもらった。
参加賞はモンベルのプラスチックボトル。
これはちょっとショボイというのが正直なところ。
参加費5,000円で、スタッフも多かったから、仕方がない部分があるのかもしれないけれど、少なくとも使えるものであってほしかった。
そのままゴミになるのであれば、資源的にも無駄だからだ。

昼食は当初、弁当と書いてあったが、海軍カレーになっていた。
そこへキリンが試供品のノンアルコールビールを配ってくれる。
受け取って食べたが、元々家庭的なカレーライスが苦手な僕にとっては、腹が減っていても手が進まなかった。
ご飯はベタベタだし,カレーソースはもっさりしてスパイス感がない。
ノンアルコールビールも含めて、申し訳ないけれど、どうしても完食できなかった。

まぁ、第一回目だし、細かい部分は徐々に良くなるだろう。
何よりも最初に述べたとおり、島の人たちのホスピタリティが素晴らしい。
今度はレースがなくても、個人的に訪れたいと思った。
いくつかレストランがあるので、そこで昼ご飯を食べることを目的にして訪れれば、結構楽しめると思うのだ。

おっと、そういえば書き忘れるところだった。
もう1人、ぺいつんさんも出走していたが、出発前の服装は完全に街歩き仕様。
下着はコットンだし、レーパンも履いてないっぽいし、緊張感が全くない。
そんな格好でロードレーサーに乗るの?と、訝るレベル。
そのため、最初から最後までレース中に出会うことはなかった。
後から聞くと、6時間8分だったらしいから、完走しただけでも凄いと思う。
まぁ、自転車の楽しみ方はそれぞれだし、ポタリングも楽しいものだからね。

来年も出るか?と問われれば、僕は出たいと思う。
素晴らしいレースだったし、地元で行われるサイクルイベントは少ないのだから、大切に育てたいからだ。

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