ひろしま国際平和マラソン
第31回目のこの大会に出場した。
出場者12,000人というから、人数だけなら中国地方で一番多い大会ではないか。
僕は2年前に出場し、ぎりぎり50分を切れなかったので(自分の時計では切っていたが)今回は50分切り、つまり40分台を目指していた。
ちなみに昨年は下関海響マラソンを控えていたので、友人たちの荷物番だったのだ。
僕が今、住んでいるところは会場から比較的近いので、出場する友人たちのベースキャンプ&シャワールームとして使ってもらうことにした。
皆が来る前、8時30分に会場へ行き、ナンバーカードだけ貰って帰った。
この時間でも既に続々と人が集まっており、かなりの混雑だった。
自宅に集まった友人たちと雑談しながら珈琲を淹れたり、Tシャツにナンバーカードを付けたりしていると10時過ぎになったので会場へ向かった。
5kmコースの友人もいて、スタート地点では既に選手の集結が始まっていたので、メイン会場には入らず、道路脇で待つことにした。
僕は少しアップしたかったので、メイン会場まで走ったり、トラックを往復したりして、調子を確かめた。
前日から右膝に痛みがあり、手入れはしておいたけれど違和感は消えておらず、鋭い痛みにならなければいいがと考えていた。
11時前にスタート地点へ戻ると、5kmコースの友人が出発した。
僕たちも20分後にスタートするので、上着を抜いでスタート地点に並んだ。
これまでの教訓から、後ろからスタートすると最初が走りにくくて困ると判っているので、ある程度は前に出ておいた。
前のランナーが壁になると、自分のペースで走れないからストレスになるのだ。
ただし、自分の実力に応じた位置を確保しないと、周囲の人に迷惑をかけるから留意のこと。
僕は前に500〜600人はいるかな?と思うくらいの位置に並び、実際の順位も500位台だったので、過不足なかった。
スタート前まで雑談していたので、皆が一斉に走り出すと「あれ?スタートしたの?」と慌てて走り出すような間抜けなスタートだったが、身体は準備していたので、すぐにスピードに乗った。
最初の間は少しドキドキするので、心拍が上がり気味だなと思っていた。
今回はハートレートモニターを付けていたので、心拍数をチェックしながら走ったのだが、これは極めて有効だった。
最近は練習でも装着しているが、ある程度本気で取組むならば、取り入れるべき機械と思う。
僕はスントだが、完全防水なのでポラールのほうが良かったかな?と考えている。
庚午橋を渡るまでは少し混んでいたが、周囲もそこそこ早くて1km4分ペースくらいで走っているのでストレスはない。
橋を渡ってからは道が広くなり、最後まで走りにくいと思うことはなかった。
この辺りで心拍は185を越えており、もう少し落ち着かないかな?と思っていた。
一人で練習するときは、170そこそこで走ることが多く、185を越えるのは少し追い込むときだけ。
それなのに息苦しさは全くなく、脚は軽快に前へ出るし、体幹もしっかりして揺らいでいない。
このまま走り続けても問題なさそうだと感じた。
右膝の痛みもなく、調子良く走っていると心拍数が190を越えた。
ヤバいな、これ以上は無酸素運動になるんじゃないか?と思ったが、数字とは裏腹に身体は特に問題がない。
もちろん、そこまで心拍が上がっているから、それなりにしんどいが、軽快に走れているという気持ちよさのほうが上回る。
このペースがどこまで続くかな?と思っていたら、知人が「いいペースですね!」と声をかけてきた。
その人は僕よりも年上だが、ランナーとしてはずっとレベルが上の人なので、今日は調子よく走れていることが判ったのだろう。
ここは僕の練習コースなんですよと少しお喋りしていたが、登りで呆気なく置いていかれた。
そろそろ折り返しかな?と思う辺りでの心拍は190の後半。
折り返す直前で右わき腹に少し痛みを感じた。
横隔膜が悲鳴を上げつつあるらしい。
タイムは22分。
この時点でトラブルがない限り、目標の50分切りは達成できると見込んだ。
横隔膜の痛みが強くなると困るのでペースを落とそうとするが、脚がどんどん前に出て、心拍は190前半から後半を行ったり来たりしている。
198くらいまで上がると痛みが強くなるようなので、何とか192〜194くらいまでペースを落として誤魔化しながら走る。
折り返してしばらくして残り4kmの距離表示が出た。
今回はここまで距離表示を見なかったので、ないのかと思っていた。
しかし、5kmくらいは出していてほしかったな。
僕が見落とした可能性が高いけれど。
心拍を190前半に抑えつつ走っていると、徐々にわき腹の痛みは薄くなっていった。
おそらく負荷に慣れたのだろう。
それからはずっと190後半の心拍で走り続け、残り2kmくらいまで来た。
この時点で周りを走っているランナーの足音が、一昨年とは違うことに気付いた。
シューズを引きずるような音を出す人がおらず、ジャッ、ジャッ、ジャッと軽快にアスファルトを蹴る音が続く。
そういう人たちとレース終盤で競っていることが、とても誇らしかった。
ストライドは前半ほど大きくはないけれど、脚そのものはまだまだ元気なので、残り1kmの表示を見てからゆっくりとペースを上げた。
心拍計は199まで上がり、さすがに息苦しさも感じる。
会場に入ってからは、そこからさらにペースを上げて、最後は心拍206まで追い込んで、全力でゴールした。
タイムは47分38秒。
目標は達成できたし、最初から最後まで軽快に走ることが出来て、満足感も高かった。
今回は心拍計の威力をとことん感じた。
身体のキツさが数字で判るため、微妙にコントロールしながら走ることができるのだ。
逆に言えば常にギリギリのラインで負荷をかけるため、ある程度は鍛えておく必要があるだろう。
今回の経験から考察すると、僕の最大心拍は210くらいかな?と思う。
年齢から考えるとちょっと高いように思うが、実測値なので間違いない。
これ以上、心拍を上げるのは危険な気がするので、僕の今後の課題は、ここまで心拍を上げなくても
速く走ることができるよう、もっとLSDを取り入れる必要があると感じた。
速く走ることができるよう、もっとLSDを取り入れる必要があると感じた。
心地よい天気の中を走り、目標を達成でき、今後のトレーニングの目安も立った。
とても美しい一日だった。
ツイッターにも書いたが、走るのはもちろんしんどい。
日々練習していても、何度レースを走っても、それでもやはりしんどい。
でもきっと、それが生きるということなのだと僕は思う。
全力で走って、タイムではなく、その過程に満足して「楽しかった!」とゴールすること。
人生もそうでありたいと心から願った。